Q:どうして急にこんなコラムを??
A:フロンティアハウスの和田 亮平です。
住宅ローンアドバイザーという資格を取得し、住宅ローンの比較や新商品のチェックなど住宅ローンについて研究をしています。
昨年から就任した日本銀行の植田総裁が利上げを実行しました。
それに伴い、ネット上でも金利が上がっていくのかどうか、いろいろな議論が巻き起こっていました。
様々な考え方がある中で、実際に住宅ローンの金利を毎月確認し、思う点などを形に残すことで少しでも住宅購入を検討している方の力になるのではないかと思いこのブログ記事を執筆しました。
今月からは毎月の住宅ローン金利の動向について、HPのブログ機能をお借りしQ&Aのコラム形式で皆様にお伝えしようと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
Q:2024年6月の住宅ローン金利最新動向はどんな感じですか?
A:まず、変動金利についてですが、大きな変動は見られず、引き続き低金利の状況が続いています。これは、住宅ローンを検討している方にとって、引き続き有利な環境と言えます。一方で、固定金利は10年国債利回りの上昇の影響を受け、全体的に上昇傾向にあります。特に長期的な金利の安定を重視する方にとっては、固定金利の上昇が気になるところです。
日銀の金融政策に対する不透明感が依然として残る中、変動金利と固定金利の金利差は大きく開いている状況です。このような状況下で、収入に対して借り過ぎないようにするなどの金利上昇リスク対策をしっかりと行うことを前提に考えれば、変動金利の利用が引き続き有利であると考えています。
時間がないのでサクッと教えてください
変動金利:今月も大きな変動はなく、低金利が継続しています。
固定金利:10年国債利回りの上昇に伴い、全体的に上昇しました。
2024年6月の住宅ローン金利の状況はどんな感じですか
A:2024年6月の住宅ローン金利は、前月比で上昇しました。
変動金利:安定した低金利が継続しており、今月も特に目立った変動はありません。
固定金利:全般的に上昇傾向にあり、特に長期金利の影響を受けやすい傾向があります。
おすすめは金利水準が低い変動金利の利用。ただし、年収に対して借りすぎには注意が必要です。3月に日銀がマイナス金利政策を解除した後も、変動金利には特に目立った変動は見られません。借入額と年収のバランスを5〜7倍以内に抑え、無理のない借入を行うことが重要です。このような前提条件を満たす場合、変動金利の利用が引き続き有利であると考えられます。
固定金利は、長期金利の動向に大きく影響を受けるため、市場の金利動向に応じて上下する傾向があります。5月31日時点で長期金利は2011年7月以来の1.1%付近まで上昇しており、6月の固定金利も全体的に上昇する結果となりました。このような状況下で、固定金利を選択する際には、金利上昇リスクを十分に考慮する必要があります。
今後も、日銀の金融政策や国際的な経済状況など、さまざまな要因が住宅ローン金利に影響を与える可能性があります。住宅ローンを検討する際には、最新の金利動向を常にチェックし、最適な金利タイプを選ぶことが重要です。
主要銀行の住宅ローン金利の前月比較を視覚的に知りたい
A:以下が主要銀行の前月との比較です。
変動金利(ネット系)
金融機関 | ローン名 | 2024年5月 | 2024年6月 | 差 |
---|---|---|---|---|
ソニー銀行 | 変動セレクト住宅ローン | 年0.397% | 年0.397% | - |
楽天銀行 | 住宅ローン(変動金利(固定特約付き)) | 年0.663% | 年0.683% | +0.020% |
住信SBIネット銀行 | WEB申込コース(通期引下げプラン) | 年0.298% | 年0.298% | - |
auじぶん銀行 | 住宅ローン(変動金利/全期間引下げプラン) | 年0.319% | 年0.319% | - |
イオン銀行 | 住宅ローン金利プラン(定率型) | 年0.380% | 年0.380% | - |
PayPay銀行 | 住宅ローン(全期間引下型) | 年0.315% | 年0.315% | - |
SBI新生銀行 | パワースマート住宅ローン(変動金利(半年型)/手数料定率型) | 年0.290% | 年0.290% | - |
平均 | - | 年0.380% | 年0.383% | - |
変動金利(メガバンク)
金融機関 | ローン名 | 2024年5月 | 2024年6月 | 差 |
---|---|---|---|---|
みずほ銀行 | 住宅ローン(ネットでお手続きの場合/ローン取り扱い手数料型) | 年0.375% | 年0.375% | - |
三菱UFJ銀行 | 住宅ローン(ずーっと一律優遇コース) | 年0.345% | 年0.345% | - |
三井住友銀行 | 住宅ローン(最後までずーっと金利引き下げ) | 年0.475% | 年0.475% | - |
平均 | - | 年0.398% | 年0.398% | - |
変動金利(地方銀行)
金融機関 | ローン名 | 2024年5月 | 2024年6月 | 差 |
---|---|---|---|---|
京都銀行 | 京銀住宅ローン | 年0.575% | 年0.575% | - |
10年固定金利(メガバンク)
金融機関 | ローン名 | 2024年5月 | 2024年6月 | 差 |
---|---|---|---|---|
みずほ銀行 | 住宅ローン(ネットでお手続きの場合/ローン取り扱い手数料型) | 年1.500% | 年1.550% | +0.050% |
三菱UFJ銀行 | 最初に大きな優遇コース | 年1.060% | 年1.200% | +0.140% |
三井住友銀行 | 住宅ローン(最後までずーっと金利引き下げ) | 年2.000% | 年2.050% | +0.050% |
平均 | - | 年1.520% | 年1.600% | +0.080% |
フラット35
金融機関 | ローン名 | 2024年5月 | 2024年6月 | 差 |
---|---|---|---|---|
楽天銀行 | フラット35 | 年1.830% | 年1.850% | +0.020% |
*フラット35は買取型/融資比率9割以下/団信加入/借入期間21〜35年の場合の金利を表示
このコラムの内容をまとめると?
A:2024年6月の住宅ローン金利は、長期プライムレートの変動の影響を受けて固定金利型住宅ローンの金利が上昇傾向にあります。住宅購入を検討している方にとって、金利の動向を理解し、適切なローン選択をすることが重要です。最新の金利情報を常にチェックし、賢い住宅ローンの組み方を実践しましょう。