Knowledge
土地基礎知識

土地の購入を検討されている方は、綺麗に区画、整地された土地を想像されている方が多数だと思われますが、現実は古家がついていたり、建物が解体されてそのままであったり、道路が狭かったり、崖地であったりと、さまざまな要因が絡んでいるようです。

そこで、その基本的な問題を大きく取りまとめ、以下のようなキーワードにより、基礎的な知識を身につけて頂きたいと思います。

宅地造成等規制法

宅地造成等規制法とは

宅地造成等規制法(昭和36年11月7日付法律第191号)とは、宅地造成に伴って起こる崖崩れや土砂の流出を防止するために、宅地の造成工事等に関して必要な規制を行うことによって、皆様の生命及び財産の保護を図り、公共の福祉に寄与することを目的として制定されました。

なお、この規制は、宅地造成工事規制区域を指定し、この区域内で行う一定規模以上の宅地造成工事等の場合、許可及び届出の手続きを必要とします。

宅地造成とは

宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるものをいいます。ただし、宅地を宅地以外の土地にするために行うものは除きます。

宅地とは

「宅地」とは、下記以外の土地をいいます。

農地、採草放牧地及び森林並びに道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの。

許可を要する工事とは

宅地造成工事規制区域内で下記の工事をする場合は、許可を受けなければなりません。

(1)切土によって高さが2mを超えるがけができるとき
(2)盛土によって高さが1mを超えるがけができるとき
(3)切土と盛土を同時にする場合で高さが2mを超えるがけができるとき
(4)高さに関係なく切土と盛土をする土地の面積が500㎡を超えるとき

境界確定と測量手続き

土地の境界確定をするためには一般的に以下を参考にします。

  1. 占有状況
  2. 公簿面積
  3. 公図その他の図面類
  4. 境界標
  5. 尾根、崖、谷などの自然地形
  6. 道路、山道、水路
  7. 主張の合致
  8. 境界確定協議の結果(官民境界確定訴訟)

わが国の現行法上は、境界確定訴訟に関する規定がありません。まして、境界を確定する基準や方法を規定したものもありません。そこでこれまで積み上げられてきた裁判例をもとにするなどして、境界を検証することになります。

以下は、土地調査測量・境界確定・登記申請業務の流れを示したものです。

1.調査測量・境界確定業務

  • イ. 資料調査・事前調査
    1. 法務局調査
    2. 現地調査
    3. 関係官公署における調査
  • ロ. 官民境界協議
    1. 関係者(向こう三軒両隣)の立会依頼
    2. 多角測量及び現況平面測量
    3. 現況実測平面図、公図等の製図
    4. 境界確認申請書の作製(申請地の謄本、申請人印鑑証明書受理)
    5. 過去に実施した土地境界図の受領
    6. 過去に実施した境界点の現地表示
    7. 境界協議の日時決定と立会人に対する通知
    8. 官民境界協議の実施と境界標の設置
    9. 決定した確定点及び引照点の測量
    10. 土地境界図の下図作成
    11. 上記下図の官による検査並びに打合せ
    12. 土地境界図の製図と申請人、立会者全員の署名、捺印受領
    13. 土地境界図の原紙及び立会人数分のコピ-の提出
    14. 通知書(土地境界図)の受領
  • ハ. 地積測量
    1. 外周土地所有者との境界協議の立会日打合せ
    2. 外周土地所有者との境界協議の立会実施
    3. 借地権者との境界協議の立会日打合せ
    4. 借地権者との境界協議の立会実施
    5. 境界標の設置
    6. 地積測量と求積計算
    7. 地積測量図の作成
    8. 土地境界確認書に申請人、立会者全員の署名、捺印受領

2.登記申請業務

  1. 委任状、地積測量図、現地調査書、その他の添付書類作成
  2. 各種登記申請(分筆・合筆・地積更正登記等)
  3. 上記登記済証の受領

3.登記済証、成果品等の引渡

  1. 登記済証、通知書(土地境界図)、土地境界確認書等成果品の引渡

筆界特定制度とは

筆界特定制度の流れ

筆界特定制度豆知識

平成18年1月20日施行の不動産登記法等の一部改正により新たに「筆界(※)特定制度」がつくられました。

この制度は登記を取り扱う法務局・地方法務局に筆界特定登記官(※)を置き、土地の筆界特定を求める当事者からの申請を受けて、外部専門家である土地家屋調査士・弁護士等からなる筆界調査委員会(※)の意見を踏まえ、更に当事者の意見陳述を参考にして筆界特定登記官が迅速かつ適正に現地で筆界を特定し、問題の解決をはかる制度です。

用語解説

[ 筆界 ]
不動産登記法(登記簿)上の土地の一区画単位を一筆と呼び、その土地と隣接する他の土地との堺を筆界という。
[ 筆界特定登記官 ]
登記官の内から、法務局又は地方法務局の長が指定する者で、筆界調査委員から提出された意見及び当事者からの意見聴取等を活用して筆界を特定する。
[ 筆界調査委員 ]
筆界及び紛争の専門的な知識と経験を有する、土地家屋調査士・弁護士等の中から法務局・地方法務局の長によって任命される。

筆界をどのようにして特定するのですか?

今までは土地の筆界について争いが生じた場合、筆界確定訴訟という裁判による解決しかなかったのですが、新しい制度として「筆界特定制度」が誕生しました。

この制度は対象となる土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の筆界特定登記官に対し、土地の筆界特定を求める当事者から筆界特定の申請をします。

筆界特定登記官が筆界特定の申請について公告・通知すると、法務局又は地方法務局の長は、土地家屋調査士・弁護士等からなる筆界調査委員を指定します。
筆界調査委員は現地の調査・測量の結果を基に、筆界特定についての意見を筆界特定登記官に対し提出します。
筆界特定登記官は、筆界調査委員からの意見や当事者の意見陳述など筆界特定に関する諸要素を考慮し、筆界を現地で特定します。
そして特定した内容を公告するとともに、申請人や関係人に通知します。

これに不服の場合は従来の筆界確定訴訟を提起することができます。その際、筆界特定の資料は筆界確定訴訟の資料として活用できるため、結果的に紛争の早期解決に役立つことになります。

筆界特定における土地家屋調査師の役割は?

筆界調査委員
土地家屋調査士は日常的に筆界を取り扱い、その専門的能力と豊富な経験を有する専門家として、法務局・地方法務局の長により筆界調査委員に任命されています。
筆界の専門的知識を生かし、筆界特定に必要な資料収集、実測調査、現地の測量等を基に、その対象土地及び周辺の土地の現況、その他筆界特定について参考となる情報を適確に把握し、その結果を分析し、論点整理をして争点を明確にするよう努め、筆界の位置を特定し意見を筆界特定登記官に提出します。
筆界特定手続代理
土地家屋調査士又は調査士法人は紛争当事者(土地所有者及びその相続人等)にかわり資格者代理人として筆界特定の手続きを法務局・地方法務局に申請することを業としています。

間口が2m接している(接道義務)

接道義務 (読み方:せつどうぎむ)

建築基準法第43条の規定によれば、建築物の敷地は原則として、建築基準法上の道路と2メートル以上の長さで接しなければならない。これは消防活動などに支障をきたすことがないように定められたものである。

この義務のことを「接道義務」と呼んでいる。 (なお建築基準法第43条では、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物等については、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可したものについては、接道義務を免除することができるとも定めている。)

また多数の人が出入りするような特殊建築物(学校・ホテルなど)や大規模建築物(3階建て以上の建築物など)については、防火の必要性が特に高い等の理由により、地方自治体の条例(建築安全条例)において、より重い接道義務を設けていることが多いので、注意したい。

建蔽率・容積率

建蔽率(けんぺいりつ)とは、敷地面積に対する建築面積の割合をいい、容積率(ようせきりつ)とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合をいいます。その限度は都市計画で定められています。

建築面積とは、その建物の水平投影面積(上から見た見附面積)をいい、延べ床面積とは、各階の床面積の合計をいいます。いずれも建物の通り芯(区画の中心線)により計算します。通り芯は、木造軸組みの場合は柱の中心線、枠組み壁工法の場合は壁を構成する枠組み材の中心線に設定します。

建蔽率、容積率の限度の原則は、建築基準法で用途地域により定められていますが、実際に使われる限度数値は、各地区の都市計画図に示されています。

現在、都市部の住居系地域での建蔽率/容積率の限度は、50~60%/150~300%のあいだで、ほとんど定められています。特に60%/200%の地域が一番多いのではないでしょうか。

ここで、容積率についての注意点ですが、都市計画図において200%あるいは300%と定められていても、敷地前面道路幅員が12m未満の場合、道路幅員による計算値と比べ、少ないほうの数値を容積率の限度とします。

住居系地域(※)では前面道路の幅員(m)×0.4 となっています。(商業及工業系では×0.6)

たとえば、容積率限度200%、前面道路4mの敷地では 4m×0.4=1.6 となり、容積率限度は160%となります。また前面道路が6mの場合では、6m×0.4=2.4となるので容積率限度は200%のほうで計算します。

建蔽率においては、都市計画で定められた数値で計算しますが、角地の場合10%加算され、防火地域内で耐火建築物(鉄筋コンクリ-ト造等)をたてる場合10%加算されます。角地、防火地域の耐火建築物の両条件を満たす場合は20%の加算となります。

ただし、角地では幅員がそれぞれ6m未満の道路が交わる角地は、敷地の隅を頂点とし底辺2mの二等辺三角形の部分を道路上に整備しなければいけません。(隅切り)

用語解説

[ 住居系地域 ]
  1. 第一種低層住居専用地域
  2. 第二種低層住居専用地域
  3. 第一種中高層住居専用地域
  4. 第二種中高層住居専用地域
  5. 第一種住居地域
  6. 第二種住居地域
  7. 準住居地域
以上の7地域を住居系地域に分類しますが、商業系、工業系地域でも工業専用地域を除き住宅を建築することが出来ます。ただし、防火地域に指定されている地域では、基本的に耐火建築物としなければならず、木造で住宅を建てる場合、準耐火構造とし2階建て以下、延べ面積100m²以内に制限されます。

建築面積と延べ床面積の計算例

下図を例に、建築面積と延べ床面積の計算をします。

この敷地は、第二種中高層住居専用地域で、建蔽率/容積率の限度が60%/200%の地域と仮定します。
尚、ここでは面積計算のみの説明とし、他法規は無視します。

建築面積の計算

【敷地面積】 6.5m×9m=58.5m²  【建築面積限度】 58.5m²×0.6(60%) = 35.1m²

建築面積は、上から見た水平投影面積なので 【建築面積】 5.4m×6.3m = 34.02m²

34.02m²(建築面積) ≦ 35.1m²(建築面積限度) なのでOK

※通り芯から、出が1m以内のベランダは、建築面積不算入となります。
(仮に、この図のベランダの出が1.3mだとしたら、0.3m×5.4m=1.62m² を 34.02m²に加える事になり、
【合計】 35.64m² で建蔽率オ-バ-になります。)

延べ床面積の計算

容積率は200%に定められていますが、前面道路が4mなので

道路幅員4m×0.4(住居系地域係数) = 1.6 で容積限度160%で計算します。

【延べ床面積限度】 58.5m²(敷地面積)× 1.6 = 93.6m² になります。

1階床面積
ここで、住宅に附属している自動車車庫は、特例で、全体の延べ面積の1/5を限度として面積に不算入の取り扱いが出来るので、1階床面積は、車庫を除いた部分について算出します。(地下室も面積不算入の特例あり)

5.4m×6.3m - 2.7m×3m = 25.92m² (1階床面積)

2階床面積(バルコニ-面積不算入(幅2m以下))

5.4m×6.3m - 1.8m×0.9m = 32.4m²(2階床面積)

延べ床面積

25.92m² + 32.4m² = 58.32m²

58.32m²(延べ床面積) ≦ 93.6m²(容積限度) なのでOK

以上のように、建築面積と延べ床面積を計算します。

このように建蔽率/容積率が60/200の地域では建蔽率がほぼ限度いっぱいなのに対し、2階建てではたいがい容積が余ります。他法規などの条件を満たせば、3階建ても可能です。

【参考】 e-不動産